【えちご中越】JAえちご中越天果糖逸出荷販売協議会は6月下旬、2024年度の出荷者大会を三条市で開いた。生産者や県内外市場関係者ら約80人が出席。猛暑と渇水により販売額が大きく落ち込んだ23年産を乗り越え、24年度は販売額17億円の大台突破を目指す。
協議会の石黒貴之会長は、あいさつで「高品質な果物を多くの消費者に届けたい。任せてほしい」と市場関係者に訴えた。
各部会長は、24年度前半の生育状況を報告。3月下旬の氷点下や、三条市で4月の観測史上最高となる32・5度を記録するなど異常気象に見舞われたが、霜害やひょう害などはなく、おおむね順調な生育だと話した。
安定販売を目指し、物価高も考慮して販売単価の底上げを進める。23年度、4年ぶりに再開した店頭での試食宣伝を24年度も県内外で行い、ブランド強化に努める方針を示した。
全国的に春先の果実供給量が不足したため、市場関係者は「販売店が7~9月期の出荷に大きな期待を寄せている」とし、安定出荷を要望した。
意見交換では、生産者から「昨年同様、市長らによるトップセールスを今年もしてほしい」との要望が出た。
講演会では、新潟食料農業大学食料産業学部の松本辰也教授が「ナシの新品種とドローンを利用した省力栽培研究の取り組み」と題して講義。梨の作付面積は1943年に新潟県が全国1位だったと紹介し、産地の発展に向けて新技術の導入などを提案した。
協議会は発足6年目。「もも」「日本なし」「西洋なし」「ぶどう」の4部会で構成し、会員数は303人。
写真説明=力強く話す石黒会長(新潟県三条市で)
R6.7.19 日本農業新聞掲載記事
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