日本農業賞は、JA全中、JA都道府県中央会とNHKが主催して、日本農業の確立をめざし、意欲的に経営や技術の改革にとりくみ、地域社会の発展に貢献している農業者と営農集団を表彰しています。
また、食と農との距離を縮める個人や集団組織の取り組みを「食の架け橋賞」として表彰しています。
今年度の募集は終了いたしました。
来年度の公募をお待ち下さい。
審査講評
当法人は、家族労働を中心に5名で、約17haの水稲経営を行う農業法人である。佐渡にしかできない独自農法として、牡蠣殻を通した用水の使用により水田にミネラルを供給し、また、牛糞などの堆肥を使用するなどこだわり農法も実施している。その米は、相田家産「佐渡スーパーコシヒカリ」と名付けて独自に販売している。
販売拡大に向けては、積極的に商談会へ参加し、また、商業や観光業など異業種とも交流を図っている。また、アジア地域の輸出を足がかりとした、欧米輸出に向けて、国際基準であるグローバルGAPを個人農家で取得して、自他共に自立した経営を証明した。
現在、佐渡の伝統芸能と食を世界へ打ち出す活動を地域の仲間と始めており、さらなる販売の拡大へ活動を広げている。
それらの取り組みを評価して当法人を本賞の優秀賞に推薦する。
講評:条件不利地の豪雪・中山間地帯の集落にありながら、特別栽培米、はさ掛け米を生産することで棚田の付加価値を高め、杜氏の経験を活かしたどぶろくの製造・販売をし、さらに民宿を経営するなど2世代夫妻による多角的な家族農業を実践していることが、6次産業化と集落ぐるみ型農業法人による地域活性化のモデルとして高く評価された。
講評:酪農部門で製造された堆肥を生産調整水田に散布し、その水田で飼料用稲を栽培してホールクロップサイレージに調製し、その飼料給与を受けた乳牛から搾った牛乳を使ってジェラートを製造・販売するという地域内での耕畜連携の新しい循環型システムを2法人と、地域の稲作法人を組み合わせたビジネスモデルとして高く評価された。
講評:飼料の共同購入からスタートした畜産グループが、流行の疫病に対応する検査体制システムを早期に確立し、安全安心な豚肉生産システムを基礎に、県下初のHACCP方式の導入、子豚段階から飼料添加物を使用しない「クリーンポーク生産農場」の認証を受け、県内初の生産履歴の店頭表示も行うなど、地域ぐるみの活動が高く評価された。
講評:豪雪地帯という厳しい条件にもかかわらず、ユリ類を中心とする球根産地として基礎を確立し、きわめて付加価値の高い切り花産地として発展した。新品種の導入や栽培研究を進め、出荷情報販売システムの立ち上げ、新たな販売体制の強化へと取り組んだことが高く評価された。