【えちご中越】JAえちご中越は6月下旬、報道機関を対象に水田の中干しや溝切りの実演・体験会を、長岡市で開いた。猛暑に備え、メディアを通した基本技術励行の呼びかけと、異常気象と闘う米農家の日々の努力や情熱などを消費者に知ってもらうため、JAが初めて企画した。
当日は、同地域の農事組合法人栃堀サスカッチの土田晴夫代表と佐藤茂さんが作業の目的や効果を説明した。2台の溝切り機を稼働させ、約25アールの水田で実演した。
中干しは一時的に水田から水を抜き、田面をある程度乾燥させる。未熟米を生む茎の発生を抑え、良い茎の過剰伸長を抑制して、収穫期の倒伏を軽減させる効果がある。溝切りは、専用の機具で田面にV字の溝を掘り、入排水をしやすくする。猛暑やフェーン現象に備え、隅々まで速やかに水を行き渡らせるようにする重要な作業の一つ。同JAの稲作技術指導では、田植え後1カ月ごろを目安に中干し・溝切りの実施を指導している。
溝切り体験会には地元テレビ局2社が参加し、生産者の2人から指導を受けながら慎重に機械を運転した。体験した記者は「見た目以上に腕と足の力を使う大変な作業ということが分かった。リアルに視聴者に届けることができる」と話した。
同法人の土田代表は「猛暑で昨年のように等級が落ちる心配もあるので、できる対策は全て取り組んでいる。中間管理の苦労や農家の思いを知ってもらえる良い機会となった。生産の背景や農家の思いを知った上で米を食べてもらえるとうれしい」と語った。
写真説明=機械操作の説明を受けるテレビ局の記者(新潟県長岡市で)
R6.7.14 日本農業新聞掲載記事
JAえちご中越