新着情報

自然栽培米8年目 今年も強い稲に 昨年は1等93%達成
JAえちご中越など

 【えちご中越】岩塚製菓(株)と農業法人の(有)ファームリンクル、JAえちご中越は6月中旬、長岡市岩田地区の「天神谷」の棚田55アールで、8年目となる「自然栽培米」プロジェクトの田植えをした。昨年は異常高温などを乗り越えて、1等米比率93%を達成。今年も強い稲作りで高品質米の生産を目指す。

 自然栽培は、肥料や農薬を一切使用せず、圃場(ほじょう)が本来持っている土壌の力と作物の生命力だけで栽培する農法。除草剤が使えないことから、雑草対策が大きな課題となる。

 一昨年と昨年に試験的にポット苗で育苗したところ、雑草に負けにくい稲に育った。今年は全てポット苗とする計画を進めた。ポット苗の専用播種(はしゅ)機も導入して4月下旬に播種。一部で発芽不良が発生し、不足分は通常の育苗箱の苗に変更して対応した。

 ポット苗用の歩行型田植え機も導入した。岩塚製菓の新入社員や関係者らも、1往復ずつ田植えを体験した。歩行型田植え機は初めての人が多く「真っすぐ真っすぐ!」「苗踏まないように!」と励まされながら、ぬかるみを一歩一歩進んだ。

 プロジェクトは、耕作放棄が進む中山間地で「付加価値の高い米作りで持続可能な農業を目指そう」と、地元の3団体が協力して取り組んでいる。

 JAの丸山健司専務は「高付加価値米の生産は、営農を続けられるよう農家収入を増やす一つの手。持続可能な農業を実現できるよう、支援をお願いしたい」と話した。

 収穫まではJAこしじ営農センターの職員と、ファームリンクルが栽培管理し、岩塚製菓が自社ホームページや直売所などで販売する。

 

写真説明=歩行型田植え機で田植えに初挑戦する岩塚製菓の新入社員(新潟県長岡市で)

 

R6.7.3 日本農業新聞掲載記事

JAえちご中越

トップへ