【えちご中越】JAえちご中越の子育て支援活動「あぐりんこ」の活動は、4月末で10年になる。JAによる食育活動や保護者の息抜きの場として、毎月料理講習会を開く。そこで活躍するのが「子育て見守りサポーター」だ。参加者は「見守りサポーターが子どもの相手をしてくれるので安心」と話し、講習会を楽しんでいる。
「また大きくなったね。今日は何をして遊ぼうか」
1歳児の遊び相手になり、眠そうな0歳児をおぶって寝かしつける斉藤美里さん(46)は、サポーター6人のうちの一人だ。
「あぐりんこ」がスタートした2014年、設立に関わった勤め先の農園から「業務として参加してほしい」と打診されたのがきっかけ。二つ返事で引き受けた。
講習会1回当たりの参加親子は10~15組。0~3歳の子がいる母親が多い。火や包丁を使う料理講習会は子どもにとって危険が多く、一般的に子連れでの参加は難しい。「あぐりんこ」では、子育て見守りサポーターが活動を支える。
今は、子どもの相手も慣れた斉藤さんだが「最初はどうすればいいのか分からず、役に立てるか心配だった」と振り返る。
三児の母。回を重ねるうちに「家でやっていることをやればいいんだ」と気付いた。他のサポーターと共に、「この時間がお母さんの息抜きになれば」と、アットホームな場づくりを心がけている。
「あぐりんこ」は、生産者としての斉藤さんが消費者と直接触れ合う場でもある。「調理では、勤め先の農園で栽培した野菜もよく使ってくれる。食べる姿を見られる機会はなかなかないのでうれしい。思いの外、野菜の好きな子どもが多い」と、触れ合いを楽しんでいる。
会の終りには、農園の野菜を販売。「販売を楽しみにしてくれるお母さんが多く、生産者としてやりがいがある。地場産野菜を選ぶ人が増えてほしい」と期待する。
「あぐりんこ」を企画・運営するJAさんとう営農センター農政企画課の清水かおりさんは、「見守りサポーターのおかげで10年も活動を続けられた」と感謝する。今後も、食育から地域農業の振興を目指す。
写真説明=参加者と談笑する斉藤さん(右)(新潟県長岡市で)
R6.4.5 日本農業新聞掲載記事
JAえちご中越