【新潟・ひすい】糸魚川市の橋立春雄さん(80)は、2023年度の新潟県「農の匠(たくみ)」を受賞した。ブランド野菜「越の丸茄子(なす)」の栽培方法を確立したことが評価された。
「農の匠」は、高品質な農畜産物の生産技術や、安定した販売の取り組み、地域の担い手育成に積極的に取り組んでいる農業者に贈られる。
橋立さんは、高校卒業と同時に農業を継ぎ、18歳で就農。1981年に「越の丸茄子」の栽培を始めた。栽培歴40年の大ベテランだ。
「越の丸茄子」は、根が弱く、病気になりやすいため、露地栽培が主流だった栽培当時は青枯病が多発した。
橋立さんは、対策としてハウスの導入や接ぎ木苗、堆肥の活用など新しい栽培技術を率先して行い、10年かけて土壌病害の発生を防ぐ栽培方法を確立。安定栽培に貢献した。
橋立さんは、JAひすい丸なす部会長や、市の「丸なすミニ農業塾」の塾長を歴任。他の農業者の栽培技術指導にも力を入れてきた。
橋立さんは、「越の丸茄子の栽培には長年苦労した。生産者・JAの指導員・糸魚川農業普及センターの指導員と密接に話し、情報を共有したことで疑問や課題を共に解決してきた」と振り返った。今回の受賞は「周りの仲間に恵まれたからこそ。話し合いができる環境と作物の生態を研究する熱意が農業では重要だと思う」と語った。
農業経営を後継者に継承した橋立さんだが、今後も生産部会などに参加し、同市の農業に貢献していく予定だ。
写真説明=賞状を手に喜びを語る橋立さん
写真説明=橋立さんのハウスで育った「越の丸茄子」(新潟県糸魚川市で)
R6.2.11 日本農業新聞掲載記事
JAひすい