岩塚製菓(株)と農業法人の(有)ファームリンクル、JAえちご中越は6月上旬、新潟県長岡市岩田地区の「天神谷の棚田」で、7年目となる「自然栽培米」プロジェクトの田植えをした。2023年度の栽培面積は昨年同様の55アール。苗の一部は昨年から、雑草に負けず太く強い稲に育ちやすいといわれるポット苗を採用。ポット苗は、4アールに関係者約10人で約2時間かけて手植えした。
「自然栽培米」は、肥料や農薬を一切使わず、圃場(ほじょう)が本来持っている土壌の力と作物の生命力だけで栽培する米。中山間地で急速に耕作放棄が進んでいることを受け、付加価値の高い米作りを目指して地元の3団体が協力して取り組んできた。
最初の年は25アールで試験栽培し、2年目からは試験栽培圃場で採種した種もみを使って育苗段階から完全な無肥料・無農薬を実現。イノシシによる獣害や、雑草などを乗り越えながら、栽培面積を少しずつ広げてきた。
JAの難波英洋営農経済担当常務は「環境に配慮した米作りは手間がかかるが、その価値がある。消費者には、米という切り口で環境保全に思いをはせてほしい」と話す。
収穫まではJAこしじ営農センターの職員とファームリンクルが栽培管理し、岩塚製菓が自社ホームページや直売所などで販売する。(えちご中越)
写真説明=棚田で手植えするJA職員ら(新潟県長岡市で)
R5.6.18 日本農業新聞掲載記事
JAえちご中越