新潟県のJA十日町は昨年末から2月末に利雪型低温倉庫(雪室倉庫)で、雪入れ作業を行った。県内は昨年末から、長岡市や新潟市など市街地が大雪となる「里雪」だった。本来豪雪地の十日町市は例年に比べて降雪量も積雪量も少なかったが、無事作業を終了した。
雪入れ作業に苦慮することが懸念されたが、農業法人と連携しながら早い時期での雪入れを計画。雪室いっぱいに雪を入れた。
雪入れは、その年の気候に合わせた計画的な作業が欠かせない。4年前の暖冬では雪が降らず、山間部から雪を運ぶなどで雪入れ作業をした。今年は例年より早い段階での作業を実行した。
2年前に雪消えが早かったことを踏まえ、雪室の保管に適した状態の解けにくい雪になるよう分散して作業。その結果、昨年の雪はしっかり残り、長く雪を保つことができた。
同施設は雪室に930トンの雪をため、空気を雪で冷やして倉庫に送る。室温5~7度の雪温貯蔵庫に464トン、他に電気冷房用の貯蔵庫もあり1468トンを保管できる。合わせると、JAが年間集荷する玄米約1万トンの2割程度を収容可能だ。雪室倉庫で3カ月以上貯蔵した「魚沼産コシヒカリ」が、「米屋五郎兵衛『雪冷やし』」として5月上旬から9月末まで期間限定で販売する。
JAの志賀義雄営農経済常務は「雪室貯蔵の『雪冷やし』のおいしさを多くの人に味わってもらいたい」と話した。
計画的な雪入れで少雪でも雪室は雪いっぱいに(新潟県十日町市で)
R5.3.17日本農業新聞掲載記事
JA十日町