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新潟・JA北魚沼 新ブランド米「奥の極」お披露目 魚沼市と共同開発 高品質にこだわり

 新潟県のJA北魚沼は魚沼市との共同開発で、「コシヒカリ」の新ブランド「奥の極(きわみ)」を立ち上げた。この商品は、魚沼市入広瀬地区の棚田で作った「コシヒカリ」だけを使用。品質の高い米を生み出す中山間地農業そのものを付加価値として捉え、商品開発をした。JA本店で完成発表会見を開き、お披露目した。

 同地区は中山間地にあり生産の効率化が難しく、平均経営耕地面積は市内で最も小さい。一方で、品質の良い米を栽培する条件がそろっている。

 残留農薬や水質などの各種検査により栽培を管理。JAが定める食味品質基準で「SA」以上、1・9ミリ以上の粒を選別した。基準をクリアした約3300キロを同商品に使う。

 また、栽培した生産者には仮渡し金5000円(60キロ当たり)を上乗せして支払う。

 同地区は、高齢化や担い手不足の進行が市内の中でも顕著だ。中山間地の農業を次代につないでいくため、商品化までには生産者も含めて話し合いを重ねてきた。

 生産者の一人、(株)入広瀬代表の佐藤貞さんは「入広瀬地区は平場に比べて効率面など不利な部分が多くあるが、品質では負けない自信がある。『奥の極』を食べた人がふるさとを思い出し、懐かしんでくれるとうれしい」と語った。

 会見で、JAの星正人理事長は「生産資源そのものを価値として新しい切り口で商品化し、一歩を踏み出せたことは大きい。今後、市と一体で商品の認知度を上げていきたい」と話した。

 内田幹夫市長は「米を生産する上での不利な栽培条件や担い手不足など課題は多くあるが、入広瀬地区で作られているコシヒカリの品質の高さを全国の消費者へ丁寧に訴えたい」と述べた。

 「奥の極」は、JAの農産物直売所「うおぬま百菜花ん」やオンラインストアで販売。今後は、ふるさと納税での取り扱いを予定している。

 

完成発表会見に出席した関係者ら(新潟県魚沼市で)

R5.1.19日本農業新聞掲載記事
JA北魚沼

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