JA新潟かがやきは6月下旬、弥彦村の農事組合法人麓二区生産組合のハウスで、ミニトマト「アンジェレ」の中間管理指導会を開いた。参加者は栽培状況を見学し、実証試験中の樹間送風装置「局セラミニ」の効果を確認した。
「アンジェレ」はJA全農オリジナル品種。同JAは水稲の生産者や農業法人に育苗ハウスを活用した園芸導入品目として生産拡大を進め、県内の栽培面積の5割を占める。
指導会には生産者や関係機関、JA営農指導員ら12人が参加した。参加者は、5月中旬に定植した送風装置設置ハウスと未設置ハウスを比較し、樹勢の違いなどを確かめた。
「アンジェレ」は樹勢が強く、樹間の空気の流れが悪くなることで病害や生理障害が発生しやすくなることが課題となっている。
課題解決へ今年、同法人で実証試験を実施。15センチ間隔で小さい穴が開いているビニールホースを樹間に通し、装置から微風を送るもので、熱がこもる樹間の空気をハウス外へ逃がすのが狙いだ。
燕市の(株)バリテック新潟が販売する局セラシリーズは、イチゴの葉に二酸化炭素を局所施用するために開発された。イチゴ以外の品目での使用は全国的にも珍しいという。冬季の葉物野菜栽培でハウス上部の暖かい空気を下部に送るなどでも、有効活用が期待される。
三条農業普及指導センターは、中間管理について説明。「梅雨明け後は高温対策が必要。グリーンバックなど生理障害の原因は水分と養分が必要なところに届いていないことで起こる。かん水量をしっかり管理するように」と呼びかけた。
JA全農にいがた園芸振興課は、販売情勢について「6月は平年より単価が高い。高温が続くと、ハウス栽培ミニトマトの価格に影響が出ると予想している」と話した。
樹間送風装置が設置された「アンジェレ」のハウスで開いた中間管理指導会(新潟県弥彦村で)
R4.7.16日本農業新聞掲載記事
JA新潟かがやき