新潟市北区木崎地区の農事組合法人ファーム横土居は、園芸拡大に取り組む。中でも、サツマイモ「しるきーも」(品種「シルクスイート」)は前年の1ヘクタールから今年は2ヘクタールに倍増し、苗4万5000本で約40トンの出荷を見込む。
「しるきーも」は、同区がブランド化を進めている。
法人理事の加藤和彦さん(39)は「ここ数年、サツマイモの人気が高まり、全国的に苗が不足している。特に今年は深刻だが、こんな時こそ『しるきーも』を全国に売り込むチャンスと考え、増産を決めた」と語る。大豆や麦の圃場(ほじょう)を振り替え、耕作放棄地を借り受けるなどで面積を拡大した。
加藤さんは、独自の販路拡大にも余念がない。食品関係のイベントに足を運んでバイヤーとじかに交渉し、売り込む。その結果、県内のスーパーや関東の百貨店などに販路を広げてきた。
肥料価格の高騰に対応したコスト削減では、化成肥料の代替品として安価な汚泥発酵肥料を試験的に使っている。
加藤さんは「スーパーで一年中買えるような存在にするのが目標だ。そのためには、まとまった量を県外に出荷できないと勝負にならない。最近では『しるきーも』に可能性を感じ、栽培を始める生産者も増えてきた。地域一丸で盛り上げたい」と意気込みを話す。
サツマイモ「しるきーも」の苗を植える加藤さん(新潟市北区で)
R4.7.10日本農業新聞掲載記事
JA新潟市