新潟県笹ヶ峰放牧場利用組合は3日、妙高市の笹ヶ峰牧場で2022年度開牧式を開いた。上越市や糸魚川市、新潟市などから和牛35頭、乳牛29頭の計64頭が上牧した。
牧場は標高約1300メートルに位置し、敷地面積は約108ヘクタール。牧場内には複数の湧き水があり、牛にとって過ごしやすい環境だ。
今年は積雪が平年よりやや多かったため、前年より1週間ほど遅い開牧となった。
開牧式終了後は、畜産農家の車両で運ばれた牛たちが、次々と荷台から降ろされた。作業員が健康状態の確認や、体重測定、爪切り、予防接種などをした後、放牧した。
糸魚川市立南能生小学校で飼育した牛も放牧し、児童14人が見学した。引率した冨永範子校長は「子どもたちが一年間飼育した牛の放牧を見ることができ、良い経験となった」と話した。
放牧によって牛の骨格の強化や体力づくり、ストレス軽減、農家の労力軽減などのメリットがある。
畜産を担当するJAえちご上越園芸畜産課の丸山豊孝課長補佐は「10月下旬の下牧まで、自然豊かな環境で伸び伸びと育ってほしい。JAは笹ヶ峰牧場を最大限に有効活用し、畜産を振興していきたい」と話した。
牛をトラックから降ろす農家ら(新潟県妙高市で)
R4.6.10日本農業新聞掲載記事
JAえちご上越