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西洋梨 褐色斑点病 対策を
落ち葉処理 農福連携模索 品質と収量回復へ
JAえちご中越

 【えちご中越】JAえちご中越天果糖逸出荷販売協議会では、2024年産の西洋梨「ル レクチエ」の出荷量が例年の5割ほどにとどまった。褐色斑点病の多発が影響した。25年産は協議会と関係機関が一丸となり、感染源となる落ち葉の処理など病害対策を徹底し、出荷量県内一の産地として、品質と収量の回復を目指す。2、3月には、研修会や園地での試験作業を行い、病害対策への意識を高めた。

 同協議会は三条市、加茂市、田上町の果樹農家300人でつくる。

 JAは2月に2回、三条市で「セイヨウナシ褐色斑点病対策研修会」を開き、生産者ら約80人が参加した。24年産を振り返り、感染源となる落ち葉の処理や防除のポイントを再確認した。

 講師を務めた県普及指導センターの職員は「落ち葉処理や発病葉、発病果実の園地外処分を徹底し、地区の菌密度を低下させることが必要。目標は地域の発病葉率10%以下だ」と参加者に伝えた。

 13日には加茂市の園地で、落ち葉処理の試験作業をした。約10アールで実作業を交えて処理方法を確認。関係機関との協力体制の構築や、農福連携による働き手確保に向けた取り組みについても意見を交わした。

 試験作業にはJAや自治体の機関、新潟県農業共済組合(NOSAI新潟)、障害福祉サービス事業所「ファンフューチャー」(加茂市)の関係者ら約20人が参加した。

 落ち葉処理は、時間や労力など生産者の負担が大きいことが課題。働き手を確保し、処理を徹底するため、福祉事業所などとの連携を模索している。

 参加者はマニュアル作成などを目的に、作業のポイントを動画や写真に収めていた。ファンフューチャーの利用者は、関係機関から指導を受けながらブロワーや熊手を使い、作業のこつや注意点を学んだ。

 JAなんかん北営農センター園芸特産課の河野東樹課長は「産地全体で菌の撲滅に向けて対策への意識を統一し、情報共有と防除の徹底を進める。ブランド回復に向けて一丸で取り組んでいく」と話した。

 

写真説明=落ち葉処理の方法を確認する参加者(新潟県加茂市で)

 

R7.3.21 日本農業新聞掲載記事

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