【新潟・ひすい】JAひすいは1月上旬から、糸魚川市のJA早川倉庫で、種もみの温湯消毒を始めた。2月中旬までに、総量約10トンの種もみを温湯消毒する。3月6日から、市内の生産者に順次配達する。
JAは環境への配慮や、確実な消毒が可能な方法として2011年から毎年、「温湯浸法(おんとうしんぽう)」で種もみを消毒している。
米作りでは、いもち病やばか稲病など、種もみが伝染源となる病害が多い。防除は化学農薬による種子消毒と生育期の農薬散布を組み合わせて行うのが一般的だ。しかし、使用済み農薬の処理には莫大な経費がかかり、環境負荷の問題にも影響する。
温湯消毒は、それらの問題解決が可能だ。網袋に入れた種もみを60度の湯に10分間ひたした後、流水で冷却して乾燥させる。防除効果は農薬を使った場合と同程度となる。
JAは「エコライス栽培」を推進。化学肥料を50%以下、農薬成分数を市の慣行栽培基準の17成分から8成分以下にする取り組みだ。種もみの温湯消毒は、その一環。
担当する営農部購買課の伊藤敏夫課長は「寒い中大変な作業だが、減農薬栽培には不可欠な作業。安全・安心な米作りで、SDGs(持続可能な開発目標)にもつながっている」と述べた。
写真説明=温湯から種もみを引き上げる職員(新潟県糸魚川市で)
R6.1.19 日本農業新聞掲載記事
JAひすい