日本農業賞

 日本農業賞は、日本農業の確立をめざして、意欲的に経営や技術の改善にとりくみ、地域社会の発展にも貢献している個別経営と集団組織や、食や農の担い手として先進的な取り組みをしている個人・集団組織を表彰します。

 また、その成果を、NHKの放送およびJAグループの媒体等を通じて広く紹介することによって、農業や食に対する国民の理解を深めるとともに、地域社会の活性化につながる農業の実現に貢献しようとするものです。

「第52回日本農業賞」本県の結果について

[集団組織の部]最優秀賞・県知事賞

 北越後農協さといも部会 (JA北越後・新発田地域振興局管内)

審査講評

 「北越後農協さといも部会」は、構成員の農家・法人が海岸砂丘地を広く含む平場農業地域にあって、近年、新規作物として「さといも」の導入・拡大を図ってきた。そして、これまでの栽培技術の向上や市場拡大等の取り組みで、その産地ブランド化に成功し、併せて、砂丘畑の耕作放棄化を防いでいる。そして、会員農家・法人は、稲作との経営複合化によって年間の就業機会を確保し、安定した農業所得を得ている。稲作が主体の新潟県内農業において、本部会の協同活動は、露地野菜の産地形成による園芸振興のあり方として注目に値する。

 具体的には、当部会は、砂丘地に適した栽培技術の確立と多様な販売促進によって、比較的短期間でさといもの産地化と高級ブランド化(商法登録「砂里芋」)に成功した。また、さといも生産の拡大で、葉たばこの廃作等の砂丘地の耕作放棄地化を防ぎ、稲作との周年的な複合経営で安定的な農業経営を実現している。さらに、後継生産者が一定程度存在し、経営規模の拡大の動きもあり、産地規模のいっそうの発展が展望できる。その実績は、県農政が掲げる「園芸振興戦略」の模範となりうるものであり、その優れた協同活動を特に評価して、本部会を「最優秀賞」に推薦する。

[集団組織の部]優秀賞

 永田米生産研究会 (JAえちご上越・上越地域振興局管内)

審査講評

 「永田米生産研究会」は、標高の高い山間地の棚田にありながら、特有の農法理念に基づき、有機農業に近い環境保全型稲作と良食味米生産に優れた栽培技術を確立している。また、集落の棚田文化に関する消費者への情報発信や都市住民との産地交流を積極的に取り組み、その活動は山間地集落における地域活性化の在り方として注目に値する。

 特に、「研究会」は、この17年間、農業条件不利な山間地にありながら、永田農法の理念に基づき有機農業に近い環境保全型稲作を実践してきた。それは、国農政の「みどりの食料システム戦略」で目指されている有機農業の普及・拡大が、山間棚田でも可能なことを実証している。そこで、条件不利地における環境保全型の稲作技術水準の高さと高品質・良食味米としての高価格形成を特に評価して、本「研究会」を「優秀賞」に推薦する。

お問い合わせ先
  • JA新潟中央会 農業地域対策部 佐野・徳橋
  • TEL:025-211-2817
  • mail:nousei@ja-niigata.or.jp
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